インターネットの教育的な活用と学習者評価

 

金 泰 昊(漢西高等学校)
http://thkim.net

I. 序論

  情報通信技術の発達により、産業社会から情報化社会へと移動しながら、教育分野に於いても新しい教育環境が提供され、同時に情報化時代に適した教育体制への転換が要求されつつある。
  教育部は、教育情報化総合計画の一環として2000年まで全体の初・中
高等学校に学内電算網の構築を完了しインターネットの使用料を無料支援することによって、インターネットを用いた授業を更に活性化しうる教育環境を作り上げようとしている。
  ソウル地域の初・中・高生を対象に実施したオリコムの報告書によるとサイバー空間へアクセス可能なコンピューターの普及率が79.4%と、10人中8人がコンピューターを所有していることが明らかとなり、またインターネットの利用率も74.2%に至りコンピューターやインターネットが電話やテレビのように身近なものとなったことを示している。(東亜日報2000.9.13)
  コンピューターを含む様々な媒体が学習活動に導入される中、学習環境は変わりつつある。インターネットを通して教師と学生が教室外の他の教師、学生、専門家にいくらでも相互作用することができるようになったのである。また学習者は自分の便利な時間に学習を進めることができるばかりでなく、地域的に遠く離れた学習者にも情報を素速く容易に伝達することもできる。インターネットは、いわばたくさんの情報を携えた図書館であり、同時に相互作用とコミュニケーションを支援するツールとしてその教育的な意義は大きい。インターネットは伝統的な教室授業を補助する教授道具としてだけではなく、学習者の為の学習ツールとしても活用できる、その潜在性は計り知れないのである。
  このようにインターネットを活用した学習が持っているたくさんの長所にも拘らず、教育的な効果については懸念の声もある。それはインターネットを活用した教育での学習結果に対する正当な評価がまだなされていないためである。インターネットを活用した学習後の評価は現在、既存の伝統教育の評価の仕方をそのまま適用したり、インターネット活用による教育的な価値を考慮していない評価が行なわれたりしているということである。すなわち、コンピューターとインターネットは自動化の可能性を持った媒体であるにも拘らず、評価に於いてはオンライン上で実施する試験よりは筆記による検査をより信頼しており、その機能が充分に活用できずにいるのが現状である。
  従って、既存の伝統教育での測定観に基づいて行われる学習者の評価に対する問題点を改善し、インターネットを活用した教育的な特徴とコンピューターの媒体的な特性を充分に活かし、学習者の成就度が立証できる学習者評価の必要性が要求されているのである。

II. 日本語教育におけるインターネットの活用

1. インターネットを活用した日本語教育の長所

  1990年代半ば以降、マルチメディアの発達により動映像と音声の支援が可能となり、聞き取りや発音の矯正までが可能なCD-ROM型の教育用ソフトウェアが多数開発され、用いられている。しかし、機械的な学習の進め方のために、学習者自らが問題を解決しようとする高度の思考能力や技術を習得することは難しく、人間と人間の真の意味の相互作用が不可能であるという限界をも持ち合わせている。
  インターネットの提供する教育的な環境は既存の媒体の持っている教育的な限界を克服することも可能であり、情報化社会が要求する能動的で創意的な学習を重視した学習者中心の教育を実現できる最適の学習媒体であるとも言えるだろう。
  インターネットを活用した学習が既存の伝統的な授業方式や既存のCALL(Computer-Assisted Language Learning:コンピューター補助の言語学習)に比べて、有用な活用が可能である点を具体的に紹介すると以下のようになる。

1.1. 実際的な相互作用の学習

  真の相互作用が可能になり、実際的な意思疎通の機会を提供する。外国語の学習に於いてインターネットはネイティブに代わる最も良き媒体であり、学習者に仮想の現実環境を提供することによって学習者と相手との相互作用を可能にする。
  既存のCALLがコンピューター対人間という二次元的な平面活動であるとすれば、インターネットは個人対個人、個人対多数、多数対多数など、一度に相互作用しつつ参加可能な立体的な学習活動であると言えるだろう。しかし、インターネットを活用した学習もコンピューターを媒介とするCALLの延長線上にあるので、既存のCALLの長所を活かしかつ短所を補完し、インターネット活用の效果を極大化して行かなければなるまい。
  相互作用の学習形態は、大きく実時間に行われる活動と非実時間に行われる活動とに分けられる。インターネットチャット、画像講義などは実時間の相互作用が可能であり、電子メール、電子掲示板、ニュースグループ(Usenet news group)、メーリングリストなどは非実時間に行われる意思疎通の道具として使うことができる。

1.2. 生きた文化体験の学習

  第7次教育課程に於いても言語材料の機能として文化の重要性が強調されている。言語は単に特定国民の独特な文字体系という意味を越え、その国の国民の価値観、思考方式の表現であり、彼らの文化を伝達する媒体である。外国語を学ぶということは文化を学ぶことであるという指摘でもわかるように、目標文化の理解なしには目標言語の成功的な習得は不可能である。
  ところが、既存の伝統的な授業では文化的な教育が、限られた視聴覚資料に依存して行われていた。インターネットではネイティブとの直接、間接的な交流を通して常に新しい資料に接し、その中で、現地で起きている文化的な体験が可能となり、目標言語の文化、彼らの思考方式、価値観などが濾過されることなく、生き生きとそのまま伝わってくるため、文化の障壁を除去してくれる重要な役割を果たしている。

1.3. 自己主導的な学習

  インターネットを活用した学習は、既存の教師中心の学習環境から逃れ、学習者の学習進行のスピード、熟達度の違いや学習の目的、学習方法の良し悪しを学習者が選択し、自分に合った時間に学習ができる、個別的で自律的な学習者中心の環境を提供してくれる。学習内容の選択だけではなく、課題も自分の進度に合わせて調節でき、学習者の自律性を増大させることもできる。インターネットを活用した学習は徹底的に学習者中心に運営されなければならないし、その際に教師は単に学習内容を伝える伝達者としてだけではなく、学習者が情報を探し出し問題を解決できるようにしてくれる学習の助力者、促進者の役割をも遂行する。
  従ってインターネットは、学習者の独立的な学習方法の技術を向上させ生涯学習に寄与するだけではなく、学習者の学習方式、能力、要求、興味などの差に合致した個別学習の目標を達成できるようにしてくれる有用な道具と言えるであろう。

1.4. 時空間を超えた遠隔学習

  伝統的な教室での学習は空間的な制約を受けるが、インターネットを活用した学習は教室学習の領域を拡張し、学習空間を拡大させることによって、教室、自宅、そして国境を超え、どこでも教授-学習が可能となる。時間・空間を超え学習情報に迅速にアクセスでき、多くの学習者の参加や学習者の学習動機誘発が可能である。

1.5. 統合教科的な学習

  学習者は豊かな学習資料へのアクセスが容易になり、このような資料を探求しながらマルチメディアやハイパーテキストなどの機能を利用して言語の主要な機能である、読む、書く、話す、聞く、さらには言語学習と関係した情報を収集する過程で、学習者の情報探索、要約、整理などの総合的な能力が伸張できる。
  このようにインターネットは、学校で人為的に区分した教科間の壁をなくし、学習が統合教科的な形として成立し、専門家または同僚の学習者と一緒に討論して問題を解決していく協力学習も可能にしてくれる。

2. インターネットを活用した日本語教育の学習媒体と学習形態

2.1. ウェブ(WWW)を活用した学習

  インターネットの最も代表的なサービス機能は当然ウェブである。インターネットで提供される膨大な量の資料が自分の学習資料として活用できるということである。ウェブによって提供される資料はハイパーリンクされており、テキストのみならず、グラフィックやサウンド、動映像などのハイパーメディアの資源が統合され、学習者が望む情報が簡単に探せるようになっている。
  ウェブ上で提供される多彩で豊かな日本語学習資料を活用することにより、学生によりよい教育が提供できるようになり、学習者は教室外の多彩な学習経験を味わうことができる。ウェブ上の無数な情報を迅速に検索してくれる検索エンジンを用いれば自分の望むサイトに簡単に接続し、学習することができる。
  学習者は日本語の学習サイトを利用して多様で面白い文章が読めるだけではなく、直接ネイティブの発音を聞くこともできる。また重要文法が体系的に整理されたサイトで日本語学習も可能であり、会話の学習用サイトでは音声を聞かせてくれるものもあるため、生活会話の学習も可能である。
  この他にもゲーム、パズル、クイズなど、興味を誘発する多様なサイトを通しての学習が可能になり、日本現地の文化にじかに接する環境を提供している。

2.2. 電子メールを活用した学習

  インターネットの普及に歩調を合わせ、最も普遍的な通信手段として定着した電子メールは迅速さと便利さ、そして経済性によって社会の各分野に急速に拡散しつつある。このような電子メールの特性を日本語学習に適用することができる。
  電子メールを通して教師と学生、学生相互間の実質的な意思疎通を日本語で行うことが可能であるため、日本語の読み書き能力を向上させることができる。教師が学生に課題を電子メールを通して日本語で伝達したり提示したりすれば学生はそれを読んで理解する学習過程を踏むことになる。また課題を準備する過程で教師と質問を取り交わすこともできるし、電子メールで課題を提出して評価を受けることもできる。このように教師と学生の相互作用とフィードバック等が教室内だけに限られず、いつどこでも可能となり、それにより教師と学生との間の距離を狭めることもできる。
  ほとんどの学生が日本人と日本語で意思疎通する機会のない状況で、電子メールを利用したインターネットペンパルは日本人と実際に自然な意思疎通の機会を提供する。こうした機会は学生に日本語に対する自信を与え、個別的な学習を強化させ、学習者中心の学習を可能にしてくれる。

2.3. 電子掲示板を活用した学習

  教師と学生だけではなく、学生相互間の意思疎通を可能にする空間として教師がホームページに電子掲示板を開設して利用することができる。実際の授業で教師や学生が何かを書き込めばそれは皆が同時に共有するができ、各自の意見を提示することもできる。参加した学生は他の学生が書き込んだ内容を共有したり、比較しながら学習することができる。教師は授業の進め方に於いて人員を個人、ペア、グループ、クラス全体などと調整し、いろいろな形の授業を進めることができる。
  外国語を習う学習者にとって自分の考えを直接に表現することは相当の恐怖心を引き起こす。しかし掲示板に書き込むことは恐怖心も少なく、自分の考えを整理して表現することもできるという長所を持っている。学習者の書き込んだ内容は教師に矯正されることが目的ではなく、学習者の相互間の考えと情報を交換する方向に進めるのが望ましいだろう。

2.4. インターネットチャットを活用した学習

  インターネットチャットは電子メールや電子掲示板とは異なり、まるで相手側と向き合って話をするように、リアルタイムに意思疎通が可能になるといった長所を持っている。相手側から送られて来たメッセージが自分のコンピューター画面にすぐ表示されるので即刻応答が迫られる。このようなことは、学生が即座に日本語で考え意見を述べる状況を与え、それによって、日本語に対する瞬発力を向上させ、表現できる機会を提供する。
  しかし、韓国の学習者は日本の学生とのチャットを円滑に利用しにくい点がある。従って、教師がホームページに自主的にチャットプログラムをつないで、クラスの学生同士で日本語でのチャットができるようにすることが効果的な方法になるだろう。学生の多い場合はレベル別にグループを分け、グループ別に主題を提示し、互いに日本語で意思疏通を行えば日本語で書いたり話したりすることが同時に学習できるだろう。

III. インターネット活用教育での学習者の評価

1. インターネットを活用した遠隔教育の現況

1.1. サイバー高等学校

1.1.1. インターネットスクール(http://uniweb.unitel.co.kr:8083)

  ソウル大師範大学とユニテルが構築した仮想学校で、高等学校15ケ科目と中学校10ケ科目に学習教材と評価問題を提供している。

1.1.2. オープンサイバー高等学校(http://www.cyberhs.re.kr)

  韓国教育開発院で第7次教育課程に備え示範的に運営されている。このサイトでは情報社会とコンピューター、家庭技術、哲学、数学、英語、日本語など、高等学校の選択科目を中心に学習内容がリアルプレーヤーを利用した講義と学習資料が提供されている。

1.2. 仮想大学

1.2.1. オープンサイバー大学(http://www.ocu.ac.kr)

  韓国の各地域を代表する14の参加大学、5つの協力大学、2つの参加機関及び1つの協力機関がコンソーシアムを構成し、インターネットを基盤にした質の高いサイバー教育を行い、これを通して学位教育、生涯教育及び再教育の課程を提供している。1998年度第2学期の開講を皮切りに2000年度第1学期まで総444科目が開設され、63,199人の受講生が単位の認定、または公開講座での受講をしている。

1.2.2. 韓国仮想大学(http://www.kyungpook.ac.kr/kvu)

  開設された教養科目と専攻科目などを履修すれば講座開設大学では受講学生の所属大学へ成績が通報され、学生の成績と単位が所属大学で認められる。慶北大学と慶星大学、慶煕大学、光云大学、大邱大学、梨花女子大学、全南大学、韓国放送大学、漢陽大学が連合して、遠隔で提携する"韓国仮想大学連合"である。

1.2.3. 忠南大学仮想大学(http://business.chungnam.ac.kr/~cybercnu)

  学生が時間と空間の制約を受けずに本人の望む科目を自由に履修できる機会を提供し、複数専攻履修の便宜と会社員への専門分野再教育プログラムを支援している。授業の進行は担当教授が前もって貯蔵した講義資料を見た後、教授と通信する非動機式の講義と講義ノート、ホワイトボード、そして顔の映像とスピーカーを利用した実時間講義を並行している。2000年の1学期の時点では単一大学としては最大の講座を開設運営している。

1.3. インターネットの遠隔研修

1.3.1. キャンパス21教員キャンパス(http://www.teacher21.co.kr)

  民間のオンライン研修教育機関で、教師の欲求や必要に応じ自己主導的な学習を可能にし、多様なマルチメディアの技術を含む講義が開設されていて、これを履修すれば研修単位として認定される。

1.3.2. ソウル大学教育行政研修院 (http://www.cne.ne.kr)

  遠隔教育を通して全国の希望教員に情報の素養を涵養し、教育の情報化に対する積極的な態度を涵養、実際の随行能力が向上できるよう、ほとんどがコンピューター関連の研修になっており、研修の履修証も交付されている。
  以上、韓国の遠隔教育における評価は研修形態によって3つに分けられる。
  第一は、サイバー高校の場合には遠隔講義ではなく、学習者の自己主導的な学習をした上で、ウェブ上での自己評価が可能な段階に留まっている。
  第二は、遠隔大学での評価は身分確認と保安の問題が解決されておらず、筆記検査とオンライン評価を並行している。
  第三は、遠隔研修の場合にはオンラインでの評価が可能な場合が多く、主に出席、課題、参与度、オンライン評価などを考慮して研修の履修可否を決めている。

2. インターネットを活用した教育環境での評価の長所

  既存の伝統的な教育環境での評価の問題点を調べ、インターネットを活用した教育環境での評価の長所を活用し、既存の評価の問題点が補完できる方法を探ってみよう。

2.1. 学習向上の為の形成評価

  学習者を評価するということは学習者の変化過程を評価するということであって、これはどれほどの頻度で評価を実行するかによって評価の性格とその結果は異なって来よう。しかし、既存の伝統的な教育での評価は、結果を重視する測定観による、学習者の選抜、分類中心の評価が行われて来た。これは教育社会学的に韓国が学歴中心の社会的性格が強く、教育への熱気が高いことにその原因を探ることができる。また教育評価の側面から見れば、以前の教育環境が教師の過重な講義と雑務など、学習の改善を目的とする評価を実施する非効率的な環境や、そのための評価ツールが十分備えられていなかったことにも原因がある。
  インターネットを活用した教育環境では多様で自動化された教育の活用ツールが提供される。特にウェブサーバーを活用した評価は繰り返しての評価、または頻繁な評価の実施が容易になる。評価ツールの準備及び実施過程がコンピューターを利用して自動化され、実施にあたっても費用や準備過程が効率的である。そして学習者は学習過程で必要な時点で、希望の場所で、いつでもに検査に応じることができる。このような評価環境は学習者の学習向上のための形成評価を行うに便利な環境を造成してくれるのである。

2.2. マルチメディアを活用した評価

  伝統的な教育での筆記検査はほとんど文字での質問とそれに対する応答が大部分である。これは学習者の実生活に近接した質問ができないため、さまざまな考えが反映できず、学習者の能力が公正に評価できない。
  これに比べインターネットを活用した評価は言語以外にも音声、イメージ、動映像などの学習資料が評価の道具及び評価資料として活用できるという長所を持っている。従って、インターネットを活用した教育に於ける評価は、マルチメディアのような多彩で媒体的な特性を利用して評価問題を提示することができ、学習者もまた言語以外のマルチメディア資料で答えることができる。

2.3. 時空間を越えた個別的な評価

  伝統的な教育では学習者を評価する際、同一の場所、時間、問題によって検査を実施しなければならなかった。また学習者の集団で同時多発的に発生する学習者の学習活動をすべて調べ上げることは不可能であった。
  しかし、インターネットを活用した教育の環境は、個別学習者の学習活動が同時にコンピューター資料として貯蔵され、別の所で行われた学習活動であっても簡単に収集され共有することができる。従って時間・空間の制約から解放され、自由な教育環境が提供されるので、ウェブ上でコンピューターの活用検査を実施する場合は学習課程の中で必要な時点に合わせて学習者個々人の能力に合った評価が可能になる。
  また身元確認のシステムと保安技術が構築されれば、教室という限定された場所から脱してオンライン上で評価を行うこともできる。

2.4. 学習課程の実証的な評価資料

  伝統的な教育環境では学習者を観察して質疑応答をしても、身体的、知的な面で教師が観察できる限界があるため、正確に記憶したり記録することは現実的に難しかった。従って教師が評価を下す時点では実証的な評価資料が足りなかったり、教師の記憶力に依存し、不完全な評価が行われる可能性がある。このように教育の評価課程に於いて学習者に対する客観的な評価資料が難しいため、過程よりは結果を重んじる筆記検査に片寄らざるを得なかった。
  インターネットを活用した教育は学習者の学習活動及びフィードバックが多様な場面で実証的な資料として与えられる。すなわち、学習者の電子メールを通した質問、チャットルームでの学習者との意見交換、討論室での討論状況などが評価資料として残される。このような言語中心の資料以外にも学習者と教師の間の音声を利用した質疑応答、ビデオコンファレンス等を利用した討論及び質疑応答の状況を録画して評価資料として活用できる。これらの資料はコンピューターで管理及び編集が可能なファイル形式であり、半永久的であるという長所を持っている。

3. 学習者評価方法の問題と改善策

3.1. 学習者の評価方法

  インターネットを活用した教育システムで使われる評価方法は非実時間の評価方法と実時間の評価方法とに区分できる。

3.1.1. 非実時間の評価方法

  第一は、学習者に提示された課題について教師に電子メールを通して返事をする方法である。電子メールは簡単に評価に対する結果を送ることができるだけではなく、個別的なフィードバックが可能だという長所もあるが、教師に過重な業務負担を与える危険性も持っている。
  第二は、ファイル電送(FTP)を行う方法である。これは学生個人別IDを開設し、学習評価に対する結果を特定のフォルダーに貯蔵した場合である。これは他の人が自分の評価結果を盗用できるという短所を持っている。
  第三は、インターネット掲示板を利用する方法である。学習者が掲示板に接続して課題を載せる方法と、討論ルームを開設し、あるテーマを提示して学習者に掲示された内容について仲間の間で論評を行った内容と掲示された回数を教師が判断して評価資料として活用する。

3.1.2. 実時間の評価方法

  第一は、文字や音声チャットの方式である。教師と学生が実時間の対話を行い、学習問題について評価することで教師は学習者と個別に接続するため、言語教育に必要な書くことや話すことを評価するのに適している。しかし、すべての学習者が別々の時間に接続しなければならず、多くの時間が消耗される欠点がある。
  第二に、ウェブサーバーを活用してリアルタイムに評価することができる。ウェブサーバーにデータベースサーバーを構築して、送られる資料を貯え、送信できるように構築されるので、学習者がウェブサーバーコンピューターに資料を請求するとその結果は学習者に直ちに提示できるのでリアルタイムの評価が可能になる。

3.2. 学習者評価方法の問題

  インターネット上での評価はウェブを活用する方法、電子メールとファイルの送受信、チャット、掲示板を活用する方法などがあるが、いまだに伝統教育で実施する筆記検査を行なう場合が多い。結局のところ、試験の実施と採点においてコンピューター活用よりはむしろ手作業に依存しつつあるのが現状である。コンピューターという自動化ツールを基本的に使っているにも拘らず、これらが効率的に用いられていない。
  第二に、学習者から電子メールやファイルなどでたくさんの学習評価資料を受け取ることによって、多様で多量な学習評価資料を用いた評価ができるという長所もあるが、評価に対する業務が過重になるという短所も持っている。従ってこのように多様で多量の評価資料を教師が効率的に評価に活用できるよう評価ツール及び環境の必要性が提起される。
  第三に、インターネットの遠隔教育に於いての出席チェックは一般的に個人のIDとパスワードを活用する場合がほとんどである。従って受験者の本人可否の確認及び試験途中の不正行為に対する防止策がまだ行き届いておらず、伝統教育の方法のように試験監督官に依存して、オフライン状態で試験を受けるという状態である。

4. ウェブサーバーを利用した学習評価システムの活用方案

  インターネットを活用した遠隔教育の講義はインターネット上でオンラインとして実施されているが、試験は未だそのほとんどが教室で筆記検査として行われている。これはインターネット上の遠隔教育の長所がうまく活かされていない問題点として指摘されて来た。このような問題点を補完するための方法として、ウェブサーバーを利用した学習評価システムをいかに活用すべきか、その方案を提示しようと思う。

4.1. ウェブサーバー活用の妥当性

  評価の必要条件としては妥当度、信頼度、客観度等を掲げることができるが、良質の評価ツールとなるためには、この他にも実用度が要求される。実用度とは一つの評価ツールをどれほど少ない時間と労力で活用できるかの程度であると定義できる。実用度は媒体検査の特性によって左右されることもあるが、筆記検査とウェブサーバーを活用した評価との違いから容易に知ることができる。
  まず、評価の実施と採点が容易である。どこでも評価を実施でき、試験結果を直ちに見ることができる。問題ごとに評価内容が指定できるだけではなく、配点の設定が容易である。
  第二に、評価結果の解釈と活用性が優れている。実用的な評価ツールは評価の結果を見て、それが学生のある行動を評価した結果だということを簡単に解説できなければならない。コンピューター活用の検査は多角的な点数算出が容易であり、点数間の比較分析も簡単にできるという長所を持っている。
  第三に、グラフィック、サウンド、動映像など、マルチメディア資料を利用して外国語の学習に必要な聞くこと、話すことの問題作成に導入できるといった特徴がある。
  第四に、コンピューターの自動化能力とインターネットの連結は多くの側面で最小限の費用と努力、時間で最大限の効果を上げることができる。またインターネットでつながった場合は、試験問題の製作と検査管理を遠隔で他の製作者と共同に作業することができる。
  第五に、伝統教育では一概に同じ問題を、同じ順序によって配置、検査するが、コンピューターを活用した検査の場合は、問題項目の検査を違えて行うことができるし、受験者の能力に合わせて問題を提示して行く機能も提供している。
  李明姫(2000)は日本語科随行評価の問題点を改善して、信頼性と透明性のある評価と教師の現場業務の軽減などを改善する為に、マルチメディア資料を活用しウェブを基盤にした日本語の評価ツール(http://164.125.155.74)を開発している。

4.2. オンライン検査での身元確認及び保安

  インターネット遠隔研修や生涯教育の次元で実施する遠隔教育の場合は、全てインターネット上でオンラインで評価を行っている。しかし、評価の目的が学習者に対する資格付与、選抜などを目的としている場合は評価過程の信頼性が問題となるため、オンライン上での身元確認及び保安技術に対し現在多くの研究が進められている。
  身元確認の方法としては電子署名、顔探知、指紋認識、虹彩確認などが あるが、より精巧なシステムを構築し、一層補完していかなければならないだろう。このような技術は教育分野よりは政府、企業、銀行などで更に多く用いられている。これからはインターネットの活用教育でもこのような身元確認の方法を積極的に活用していかなければならないであろう。
  評価に対する公正性と信頼度を高めるためには、コンピューターカメラを活用したり、ビデオコンファレンシングを利用して監視することも可能であろう。また監督官のいない教室ではビデオ撮影という方法も有用であろう。
  遠距離学習者の評価に於いてはこのような装備が準備できない場合、やむを得ず特定の場所で試験が実施されなければならないが、遠隔教育の特徴を最大限活かして受験者の自宅から近い学校や、図書館、公共会館などのような特定の場所を活用する方法も良いであろう。
  そして選択式問題と簡単な記述式問題はウェブサーバーを利用し、ウェブ上で評価回数を1回に限らず、何度も繰り返し形成評価を実施することによって一層公正な評価が期待できるであろう。また、試験問題を調査形式、あるいは高度の構成能力を要する論文形式の問題を出題する方法などを選択することもできるであろう。

IV. 結論及び提言

  伝統的な教室授業方法の方式では実現が難しかった部分を、ウェブを利用してたくさんの資料を学習に活用し、言語の四機能以外にも生きた文化が体験できる。電子メール、電子掲示板、インターネットチャットといったインターネットの基盤ツールを活用して実際的な相互作用、教師との活発なフィードバックを成立させることができる。また空間的な制約を受けていた教室環境の領域を拡張し、学習空間を拡大させることによって、いつ、どこでも簡単に日本語の学習を可能にする。
  ウェブや電子メールなどを活用したインターネット教育が日本語教育に内在するあらゆる問題を全て解決することはできないが、先端媒体の発達によって日本語教育を改善させうる、絶好の機会を目前にしているのである。ただ難しいという理由で、伝統的な教授法に安住せず、良い媒体を適切に教授-学習活動に適用しようという、日本語教育に関わる全ての構成員の参加と関心が要求される。
  そして既存の伝統的な教育環境での評価に比べ、インターネットを活用した評価の長所がたくさんあるにも拘らず、いまだオンラインでの評価は不足しているという状況である。だが、ウェブサーバーを活用した評価を行ることにより評価と採点が容易になり、教師の業務が軽減されるだけではなく、実生活に近いマルチメディアの資料を利用した問題項目などが出題されるようになり、それによって、意思疎通能力を効果的に評価できる一つの方法になるであろう。
  インターネットを活用した評価の最も大きな問題点として指摘された身元の確認及び保安の問題は、指紋認識、虹彩確認など、より精巧なシステムの開発研究が進められ、公正性と信頼度を高めていかなければならないと言えよう。

 

参考文献

 

沈雄基・康淑煕.『インターネットを利用した授業改善研究』.ソウル:韓国教育開発院、1998.
李徳奉.『日本語教育の理論と実際』.ソウル:時事日本語社、1998.
李明姫.「マルチメディア日本語教材の開発事例」『釜山地域日本語教員研修資料輯』、韓日日語日文会、2000.
黄禎奎.『学校学習と教育評価』. ソウル:教育科学社、1984.
金惠眞.「インターネット活用教育での学習者評価研究」.ソウル:梨花女子大学教育大学院修士学位論文、1998.
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